ノーカントリー

ノーカントリー スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]

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こないだまでは自分が妄想癖ではないかと思うくらい話が思いついたのだが、
早朝からコーエン兄弟の「ノーカントリー」という映画をみてしまい、
頭の中がすっからかんになってしまった。
(その前に「アドレナリン」というおバカな映画を見ていたせいもあるが。
というか、「アドレナリン」に続編ができるってネットで知ってしまったことがショックだった。
日を改めてこの映画のことを書こうかな…あとから沸々来るもんがあるので。)
アドレナリン [DVD]

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この映画の中で、絶対に脳裏から離れないのはハビエル・バルデムだと思う。
そのスペイン俳優の犯人役は今まで見てきた映画のなかでもトップクラスに入る怖さなのだ。
犯人というか殺し屋なのだが、全く「情」がない。
通り過ぎる間に殺してしまうくらいのスイッチの入れ方に唖然となる。
あの「セブン」のジョン・ドゥーでさえ異質な情があったのにもかかわらず、だ。
しかしあのコーヒーのコマーシャルのせいで保安官役のトミー・リー・ジョーンズが出てくると
「異星人」だと思えてしまった。自分の頭の悪さに腹が立つ。


内容をここで話してしまうと、面白みが無くなってしまうので割愛するが、
これを日本で作っても犯人役が見つからないくらい、ハビエルの役は凄まじい。
でもよくよく考えてみると、この作品には正義というものがあまり出てこない。
主人公の妻と保安官ぐらいじゃないのかな。何となくドライで喉が渇く。
本当のところを言うと、この作品がアカデミー賞を取った作品だと言うことを
この文章を一回書き終えるまで知らなかった。むしろ知っていればこの作品は見なかったかも知れない。
その上、この作品のレビューがもの凄く右往左往している。
「後味悪い最悪の作品」やら「さすがアカデミー賞」やら。


個人的に言うとこの作品は絶対にエンターテイメント性はない。
どちらかというと、マニアックなカルト映画に近い。
なので、これから観る人は絶対に「アカデミー賞」の冠を外してみた方がいい。
元々のタイトルが「No Country For Old Man」だし、
本来の筋の流れはあまり出てこない保安官の方だということを覚悟をしたほうがいい。
はっきり言って、この作品はハリウッド作品ぽくない。それはラストではっきりする。


実はコーエン兄弟の作品を観るのはこの作品が初めてである。
前の作品も観てみようかなとは思うが、…でも朝に見るのはやめとこう。