世界の終わり、あるいは始まり

世界の終わり、あるいは始まり (角川文庫)

世界の終わり、あるいは始まり (角川文庫)

この作品は「実験作」だと言ってもいい、と思う。
この本を買ってこの本を読んだ人間なら、
この本に関してちょっといいたいこともあるだろう。
いや、言いたいことが多々あるに違いない。僕はいくつか言いたい。
内容のことは書かないが、これを原作にして忠実に演劇にすれば
間違いなくクレームが起こるに違いない。演じる人間も嫌がるだろう。
この作品の弱点は本のボリュームがあることにより、
2つめのパターン以降この作品に使われる時間軸の移動が計算されることである。
読む人間に「このままではないな」と思わせることは悪いことではない。
でもこの作品に関してはそれは良いことではないように思える。


とはいえ、非常に内容は面白い。
一つの流れから多方向の見方が出来てしまう。文章の構成も読みやすい。
本当にスラスラ読める。こんな僕でさえ3日ぐらいでスラスラ読める。
でも…この本で※マークが見えた瞬間に「ええ…」って思ってしまうのは
仕方のないことなのだろうか。
さぁ、読むぞって気合い入れて読む本ではないです。
考えさせられることはあるんですが、あんまり深入りはしないでいい感じですかね。


一言で言えば、読書感想文が書きにくい本ですね。
それは悪い意味ではないです。
本当に読み物としては面白かったです。雨の中で読んでしまったくらいですから。