指輪


彼女が忘れた 指輪が
コロンと転がっていて
なにも出来ない 僕を
じっと見つめている


ある日晴れた午後に
せわしいメールが 何度も
運転なんかできないくらい
僕以上指輪 なんだろうね


このまま会わないっていうのも
なんか ヒドい人間みたいで
結局はこの指輪さえ戻れば
会う意味なんて 皆無だし


彼女が忘れた 指輪が
コロンと転がっていて
愚かで惨めな 僕に
罵り 嘲るのです