おふくろ。

朝から急におふくろが体調の悪さを訴えた。
午前6時ごろ父が母を病院に連れて行ったが、
バカな父は携帯電話の電源さえ入れず、
僕は7時半まで途方にくれた。
馬鹿やろう。オヤジはいつ死んでもかまわないが、
おふくろはそういうわけには行かない。まだ唯一かもしれない
僕の味方になってくれる人なんだ。
オヤジはどこかでノタレ死んだってかまわないのだ。
                 
胃が痛くて堪らない一日だった。
おふくろは検査でどうなっているのかわからない。
ブツクサいうだけのクソオヤジが会社に残っていやがる。
腹が立つ。精神的に参りそうなのに、オヤジは僕を嘲り笑う。
おふくろが言うには、それは異質な愛情であるとのこと。
僕はそんなものゲロ同様だ。一度ぶん殴ってやりたい。
僕のまわりに男でマトモな人間はいない。
                   
胃が痛くて正月から7kg痩せた。

家に帰ると、少し元気のないおふくろがいた。
「晩飯はいらない」と告げる。
5倍飲んだ安定剤が効いてきた。
なんてアホらしい世界だ。