ばあちゃん。

にゃー、にゃー。


僕は「ばあちゃんっこ」だった。両親が仕事をやっているために
幼少の気持ちをぶつけていた相手はばあちゃんだった。
大正琴や生け花、日本舞踊やペン習字。。ばあちゃんは稽古好きだった。
おしゃれでやさしかった。昔、高校時代に「BE HERE NOW」をやったときに
演劇部のみんなのためにシュークリームを持ってきてくれた。
僕が仙台の大学に合格したとき、喜んでもらえなかった。
遠くにいくのは嫌だったらしい。
北九州の大学に行っているときである。そんなばあちゃんにある病気が見つかった。
パーキンソン病である。徐々にその症状はひどくなっていた。
今はヤール分類でいうと最高値の5度である。つまり全介護状態です。
話すこともできません。でも、理解はしています。手を握ると強く返してきます。
何かを言っているような、視線を僕に送ります。
あまりにもそんな時期ばかり見ているせいか、
どういう声をしていたか少し忘れてしまいました。