切ない。

花は咲き、雨を浴びずに枯れるのだ。

最近、引っかかるコトバが「切ない」というもので、どうやら僕はまたこの「切ない」で文章を書くことになるのだろう。たくさんの人間の言葉を聴くと、僕が一人なんだと気づくのだ。僕は僕でしかなく、それは変わらない事象の一つなのだと。切ないのだ。
愛される人間が寂しいと漏らしても、僕は切ないほどの孤独を感じている人間として何も答えることはない。胸が痛くて、悲しくて、切ないのにそれくらいのことで救われる幸運を認めたくないのだ。愚鈍な人間はどうして簡単に去るのだろう。振り返らないのだろう。間接的に状況を知らせるのだろう。そして僕は何も変わっていないことに気づくのだ。一歩も進んでいないことに気づくのだ。
人がいても溶け込めない孤独があって、人知れず枯れていくのだ。虚しくなって、キスさえ切ない。お互い求めているのに合わないキスは切ない。求め合うのがすれ違うのだ。
いなくなると現れて、戻るといなくなる。神様がいるとすれば、あまりにも冗談が過ぎる。僕は混乱し、叫んでいるのに。これ以上壊してどうする気なのだ。それならいっそ消してくれ。