それは、生きていくということ。

この道はどこにも続いていない、不思議

明日は雪が降るという。僕はまだ雪の方が好きだ。あの雨の日よりも。誰もが真っ当なことを言う。僕はそれがくだらなく思う。それは人間としてマトモだ。反論さえも出来ない。正論なのだ。面白みも無い、第三者的な分厚い辞書。じゃあ、僕はなんなのだ。人間は明らかに狂い、粗雑に生きているのだ。その正論はこの世で生きていないのだ。そう、異論は生きているということ。
…あ、雪だ。雪が降り出した。くだらない人間は本質さえ見出せず、数値化したゴシックで物事を分厚く見定めていくのだろう。僕はもっとくだらないものでいい。アイでいい。くだらないな。ほんと。
今日もあの名前を呼ぶ。昨日も呼んだ気がする。明日も空を見上げ、虚空の彼方にあの名前を呼ぶのだろう。僕は幸せになる術を知らない。僕を気味悪く思う人間がいるだろう。でも、僕はその人間よりも数倍の回転数で物事を推測し、もっと不思議に思っているのだ。
そして、雪は積もるのだろう。少しづつ分かり合える日が来るのかもしれない。そんなくだらないことを考える。それは、生きていくということ。