卒業式まで死にません

卒業式まで死にません―女子高生南条あやの日記 (新潮文庫)
入院せずにどうにか回復した土曜日、僕は本屋である本を見つけてしまった。南条あや著「卒業式まで死にません(文庫本版)である。僕はその前日にとあるホームページを2時間ほど読んでいたのだ。
http://nanjouaya.com/hogoshitsu/
本屋で何を買おうか迷っていたら、いきなりこの本に出会った運とは…。ゴーマニズム宣言を買おうか、ジョージ朝倉*1を買おうか…うーんって時にです。
その文庫本を迷わず買い求め、バス待ちの間に少し読んでみた。普通の本ではありえない横書きの構成はネットにより公開されていた様式をそのまま取り入れているってことかも知れないけれど、少し読みにくいなぁという印象だった。慣れると大したことではないけどね。内容は…といえば、ある18歳の少女のネット日記である。詳しい内容は本を読むに限るが、一見明るく弾ける文章の裏で、陰鬱に冷酷である二面性を持つ危険性が垣間見れる。モラトリアム…といえばいいのかもしれない。18歳だから許されるのかもしれない。いや、許されないのかもしれない。でも、彼女は僕にとって幸せに見えて仕方が無い。打ち明ける人間がいる(それは赤裸々ではないのだが)。守ってくれる人間がいる(彼女自身それを直接的に求めていないのだが)。なのに…そういう結末を迎えてしまったのだろう。
やはり、それはモラトリアムが許した空白なのだ。
…ゆっくり読んでいこう。薬名が出てくるが、僕はその半分くらいは知っているのだけど。

*1:♀。代表作は恋文日和、少年少女ロマンス。大好きな漫画家です