これは、どういうことだろう。

僕は怪我をした。右耳の付け根を4針、頬を2針縫うケガだ。
右肩、わき腹、背中に打撲もした。でも、本当にそれは「最低限のケガ」だった。高さ約5m、二階建ての家の高屋根から電線に一度引っかかって4tトラックの荷台に落下した。
落ちたときは「あ、死んだかも」と思った。間違いなく死ねる高さだったからだ。二台の上で痛みにのたうち回り、頭部から生暖かいものを感じた。
右腕を少し動かしてみた。痛みはあるが動く。指も動く。

落ちた場所は市内から1時間以上離れた海の見える場所で、
僕は痛みに耐えながら自宅へ戻った。

死んでいい人間が死なない。神はふざけ過ぎている。
僕のような人間が生きていて何があるというのだ。
死ななくていい人間が死んで、僕のような人間が生き残る。。
何かしらの矛盾を感じる。そうだ、この世の中の複雑さを感じずにはいられない。