超短編

銃を突き付けられた犯人と人質

A:人質 B:犯人 BはAのこめかみに銃を突き付けている。 A あのー…いいですか? B …。 A すいません、あの…、 B 何? A えーと…こんな状況でなんなんですが… B …。 A 私と話をしていただけませんか? B …何故? A …死ぬ前に無言っていうのは悲しいかなって。…

それは、罪なのだろう。

それは、罪なのだろう。 僕はある女性を好きになった。 この年になると昔の「好き」との感覚が違う。 失いたくない、離れたくはない。でも態度に抒情がある。 そうなってしまえば離れざるを得ない、そんな感覚なのだ。 パーラメントを吸う。背は157センチ。…

使命

僕はかくれんぼの鬼になる。 誰も「もういいよ」なんて言わないかくれんぼ。 僕の必死の「もういいかい?」に対して、 機械的な「まあだだよ」が聞こえる。 何度問いかけても、「もういいよ」は聞こえてこない。 ただただ平坦なトーンの「まあだだよ」が同じ…