文庫本

たとえば 古びた文庫本
僕の 人生なんてもの
付箋貼ったとこ見るものだから
寄れて崩れて 見た目も悪い


あの頃は輝いていた やら
あの頃は無惨だった やら
酒のつまみにも ならない話
たまに愚痴れば 本棚に仕舞う


ねぇ きっときっと そうだよね
華やかな色のついた文字で
装丁も彩られて 飾られて
そんな本になればいいな
夢みたいなことだけど
本棚の片隅の 小汚い文庫本