手紙が届く。

大分に戻ってしまった友人から手紙がくる。
まぁ、女の子らしい小さな封筒がやってきた。
でも、よくよく見ると送ってきた本人の名前が封筒に書いていない。
書き忘れたのか、作為的なのかはよく分からない。
封筒の上の方1mmらへんを丁寧にハサミで切ってみる。
すると、ほぼ封筒ぎっちりの手紙が入っていた。便箋2枚。
丁寧に切ったおかげで便箋を切ることなく開封出来た。
後になってそういうことが気になってしまう質なので、ほっとした。
内容を読んでみる。僕が以前送った内容に対してのアンサーだ。
彼女も苦悩の日々を送っていたことは理解できた。そうか、そうなんだ、と。
その封筒にはもう2つ、何かしら入っていた。
                                          
一つは写真である。
少しふくよかな彼女の満面の(若干つくられたかのような気もする)
笑顔が写真から光を放ちそうだ。
背景は有名なテーマパークのセットがそっとはいっている。
そこは僕が大学を卒業して、初めて会社に入って1週間通ったあのテーマパークだった。
                                                      
その当時、僕はMP3-CDプレイヤーなるものを持っていて、それをどこに行く時も持って行った。
とある有名な電車の路線から乗り換えて、埋立地であるそちらの線にのって数駅だった。
イヤホンからはMr.Childrenの「光の射す方へ」が流れていたかな?
いや、「終わりなき旅」だったかな?ライブアルバムの「ニシエヒガシエ」だったかな?
とにかく、僕はそこで知らしめられた。単なる一人の人間でしかないのだと。
大学生時代の翼から足へ。そして、舗装されていない40cmぐらいのぬかるみを
必死で歩きまわったこと。生きることはもがくことだと思った場所だった。
                                          
そして、その手紙にはもう一つ面白いものが入っていた。
友人と撮ったプリクラである。写真の時期から数年たって、今の彼女に近い姿である。
スリムになり、笑顔が自然である。なるほど、すごくいいものだ。
僕が写真を返し、新たな写真が欲しいなんていったのは愚問中の愚問であるのだが、
今は、なかなかいいお土産を貰ったような気がしている。
安定剤である。今日はちょくちょく見たせいで、最悪の体調もなんとか持ちこたえた。
                                             
ありがとう。いい写真です。本当にありがとう。
絶対に、また会いましょう。