長崎紅葉


いま、飲み会から帰ってきたのだが、完全に酔っぱらってしまい、どうしようもない。
自分を「この世の中で一番情けない男」だと思っている。馬鹿だ。本当に馬鹿だ。
知ってる人間の名前さえ思い出せない。馬鹿だ、情けないくらい馬鹿だ。
今までの生活の中で一滴も酒を飲まないでいたのに、
これだけ酔うと、昔一番酔った時のことを思い出す。
一番酔ったのは、20代で最後に好きだった人から振られた時だ。
あの時はグテングテンに酔った。もう自分のことなんてどうでもよかった。
今でも思い出して少し涙ぐんでしまう。本当に好きだったのだろうなって思ったりする。
嫌いなところもあったけど、99%好きだった人。大好きだから涙ぐむんだと思う。
もういいよ、忘れるよ。でも、ごめん。無理かも知れないよ。ごめん、好きだったからなんて。
この青臭い馬鹿の頬にビンタを入れたくなる。秋でもないのに頬に紅葉だ。
    
そういえば、野孤禅への熱は冷めきれず、「東京紅葉」にハマっている。
「カモメ」から「ぐるぐる」、「自殺志願者が線路に飛び出すスピード」。
彼らの曲には今まで感じたことがないような優しさと情けなさがあって、
それが総合的に人間味になり、僕はがっちり引きこまれることになったわけです。
ボーカルのピストルさんのブログを見れば一目瞭然になるのだが、
本当に嫌なことを言わない。本当に素直に美しいものを美しく捉えるのです。
でも、それは暗喩として詞に解き放つので、理解しようとしないと届かないのだろうな、
と思ったりする。「自殺志願者〜」は特にそれが強くて、
自主規制で放送禁止曲になっちゃったりするのです。
「少年花火」って曲も詞の中に「あいつがロケット花火を打ってきたから、Tシャツに穴が空いちゃって、
お返しに線香花火を頭に落としたい(気分になったんだよ)」ってのがありまして、
どうもこのカッコの中身を見ぬけない人間に自主規制で放送禁止曲みたいなことに
されちゃったりなんかしてるんですよね。
     
だめだ、酔いがさめない。本当に酒は嫌いだ。「好きだった人」のことを思い出す酒は嫌いだ。
嫌いになるように嫌なこと書いたりするけど、それで返事が来たときはどうしようもなかった。
どうすればいいんだろう、こんな馬鹿は。すいません、本当にすいません。