月末のアンニュイ。

友人とくだらない話をしたい。僕はそんなことを考えていた。
そんなことがすごくしたくて堪らなくなる。
誰かにとって当たり前のことが、僕には小さい幸せになる。
まあ、そんなもんだ。
夢に向かって走る人間があまりに眩しくて見ることができない32歳である。
   
18時に古本屋に行く。なんでこんな時間に40歳ぐらいのおっさんが、
マニアックなマンガのコーナーにいるのだ?そのうえ立ち読みしてやがる。
僕は本当に立ち読みをする意味がわからない。
どんな本だったか確認するくらいの「パラパラ」ならいい。
腰据えて、低い陳列棚に肘付けて立ち読みをしまくるバカもいた。
どう見たってとある偏差値の低い高校の制服を着たバカだ。
そんな図太く貧乏たらしい行動たる「立ち読み」が僕にはできない。
   
30分後にまたそのコーナーに行く。
まったくおんなじポーズをしたバカがまだ、いた。だってバカなんだもん。
もういい。君をバカと否定するのをもうやめにした。
君は金が無い可哀そうな人間なんだ。時間はたっぷりあるんだな。
でも、その時間の使い方がわからないんだな。僕はその彼に教えてあげたかった。
時間とは有限であると。君の輝きはあと数年しかないことを。
というか、風前の灯火だということを。