防波堤

切ない日々を暮らしていると優しさを無くしてしまいそうで悲しくなる。
僕に原因であり、肥大した病巣が僕自身を苦しめただけなのだ。
期が熟する前に青い果実をもぎ取ってしまった…そうなのだ。
と、書いてはみたが、そんなに美しいもんではない。単に孤独な男が嘆いているに過ぎない話だ。相手は未来を見据えて飛び立った後で、この話は独り言だったってことだ。

とはいえ、僕は僕で何かしら探しながら生きていて、この温かいというか暑くなってきた日々を汗を流しながら生きている。
病は治らず、もう四年ぐらいになる。よくぞここまで生きてきたなぁ…とも思っている。回りが高速かつ不連続で通り過ぎるのをかわして生きた日々だった。
いかに自分が生きていくことに対して不器用なのか、いかにずる賢い人間がこの世では得なのか、男女不均衡と言っている人間がいかにこの世の深さを知らないかよくわかった。
この世には社会とは別個の感情欲情の世界があることで男女の均衡なんて崩れ落ちているのだ。

僕は何時壊れるがわからない防波堤の側にいるように思えてならない。