僕は何も知らない男で。

最近、「知らない」と言いたくない自分がいる。31年生きてきてそんなことも知らなかったの?なんて言われたくないからだ。
生まれた街は長崎市。18年間過ごして8年他県に暮らした。27歳の時に長崎市に戻ると、その変化に驚き、再発見の連続だった。
それから4年が経つ。僕は無くしたものを補完してしまった…と思っていた。
「おい、合戦場に行って来い」
は?合戦場(かっせんば)?どこ、そこ?
「え、合戦場、知らなかったっけ?」
はい、知りません。
「昔、大浦区対抗ソフトボール大会でお前がホームラン打った場所だよ」
は?確かにホームランは打ちましたが…。
場所をよく聞き、行ってみました…。
こんなとこにこんな場所が…知らんかった。地図は好きでよく見るけど…。
 
僕は何も知らないのだ。強くそう思った。
何もかも…そうなんだと思った。全てを…そう思ったんだ。