今も「今更」なんて思っている。

いつも今更なんて思っている。
僕は何も知らないのだ。何にも知らないのだ。
全ては何から生まれるのだろう。今の時間は何のためにあるのだろう。
僕は必要にされていない人間で、何も無い人間で、今更何が出来るのだろうか?
みんなが存在理由を見つける中、確固たるものが無く宙に舞っている。
愛する人の耳元でひっそり呟く。「僕はいったい何なんだい?」
愛は与え与えられるものだとばかり思っていた。実際、そうではない。
僕は色と音の無い海にいるようだ。いつの間にか沖のほうにいて、
救いの手もなくもがいている。
そこには「本当」がない。虚像がある。掴み損ねた現実がある。
空はいつも空のままで、僕は何も感じないのだ。
イヤホンからは心躍る音楽が流れている。
でも、僕はそれを分かち合うことは無いのだ。