おくんち だもん。

はじめに、僕は長崎が好きです。
でも、なんとなくわからんこともあるんです。
            
とある用事で車を運転していると、妙に混んでいる。
長崎は「おくんち」なるお祭りの最終日。
とはいえ、今日は火曜日。平日である。
何故に混んでいるのかが、混み始めて20分後に明らかになった。
長崎の片側3車線の道路である「中央橋」。
そこの横断歩道を「おくんち」の出し物が通るため、警察による規制が行われているのである。
車道側の信号が青になっているのにもかかわらず、警察は通行人を通す。
これは「平日」である。日曜日や祝日ではない。
この信号は手前にある交差点から10メートルぐらいしか離れていないため、
直進車に対して垂直な道路にも渋滞ができてしまっている。
その垂直な方向の道路は「県庁−思案橋」の長崎のメイン道路の一つで、
とにかく混みやすくて、すりぬけにくくて大変な道路である。
とはいえ、おくんちに参加している人間は雨の中頑張っている。
それに見物客が連なる。横断歩道が空きはじめる。警察が通行にOKを出す。
やっと車は通りぬけようとする。信号が必然的に赤になる。警察が車道を塞ぐ。
         
…おいおいおい。
赤信号は守るんかい。
少し通して緩和させた方がいいんではないかい?
         
どうにか通り抜けて、馬町から矢上方面へ。ここも片側3車線。
そうすると、新大工町方面から龍の頭をつけた山車がゴロゴロと引かれている。
その後ろを徐行運転した車の大群が連なっている。
「えっ?」っと思う。
何故に1車線ぐらい脇を通さないのだろうか?車線すべてを埋める意味はあるのだろうか?
龍船(じゃぶね)と呼ばれるものらしい。資料によると長さ6m、重さ3t、幅1.66m。
どうみても引くには1車線で済みそうな出し物である。
こんなに周りに人間いるのか?ってくらい群がっているのである。
長崎の方は「おくんちの出し物に文句を言うのはタブー」だそうです。まあ、確かにそうかもね。
でも、間違いなく今日は火曜日。平日である。
        
しかし、疑問なのが「おくんち」に参加する人間は「普通の会社員では無理そう」な感じが
するんですが。スケジュールが過密なんですよね。ここまで来るのに何日かかることか。
確かに会社が一緒に応援してくれるとこもありそうだけど、
そんなところばかりじゃないもんね。でもこの「おくんち」を成すにはこの人たちの時間も
必要なんだもんね。そうなんだ、このような「必然性のあるフリー」が必要なんだと思うのだ。
この必然性は文化史に残るぐらい素晴らしいもので、絶対的なものなのだと。
       
一般的に「おくんち」なるものに参加するのはエリアが限られていて、
その他の人々は地元の小規模のおくんちに参加することになる。
いわゆる「おくんち」はブロードウェイで、地元の「おくんち」は劇団四季である。
僕は何となくその「劇団四季」の方が愛おしかったりする。
ブロードウェイは英語でワカラン!!みたいに。